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恒常所得を上昇させることにはならない。
それでは、現在あるいは将来の公共投資の削減でまかなえばどうであろうか。
その場合にも、民間部門が受け取る賃金収入が公共投資削減分だけ減少するため、民間部門全体から見ればやはり減税分の生涯所得増大は相殺されてしまう。
このように、いずれにしても、恒常所得を上げることはできないのである。
したがって、恒常所得仮説に基づいて考えても、恒久減税は消費を刺激することにはならない。
ようするにこの議論は、恒久という言葉に惑わされただけなのである。
このように、減税の効果をどう解釈しようと、本質的にお金を右から取り上げて左にわたすだけであるため、経済全体の景気に対して、大した効果はないのである。
国民の選択と政治家の選択意味のある公共事業であれば、不況期の経済対策としては、減税よりも望ましいにもかかわらず、行財政改革や「小さな政府」の要求がここまで高まるのは、政府のお金の使い道について、国民がまったく信用していないからである。
政府の使える予算規模を拡大したら、皆のためというよりは、政治家や官僚の権力維持のために使うから、それなら何もしないほうがいいということである。
実際、地元のためになるべく沢山の金を取ってくるのは、政治家として当然だと公言してはばからない国会議員もあり、こうまではっきりいわなくても、心の中ではそう思っている議員は、実際問題として多いであろう。
また、地元民自体も期待していることが多い。
政府にお金を使わせればろくなことに使わないから、減税してこちらによこせという国民も、お金をもらっても使わないでとっておくだけだから、資源の有効利用ができない。
このような状況で、政府が行財政改革を喧伝するのは、自分ではお金をうまく使えないのを、みずから認めているようなものである。
行財政改革を喧伝するくらいなら、いま資源がこれだけ余っており、放っておけばこれだけ無駄になるから、こういう意味のあることに使いますというべきである。
もっとも本当に政治家には、国民全体という視野から効率的な公共事業や公共サービス提供をしようという気など更なく、他を犠牲にしてでも予算をできるかぎり多く取ってきて、自分の支持層を増やしたり、権力行使の手段に使ったりすることしか考えていないというなら論外である。
そうであれば、国民は、余剰人員・余剰設備を、政府にろくでもないことに使わせるか、失業を放置してでも政府の活動を制限するかという、悲惨な選択しかなくなってしまう。
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